忍者ブログ

バベルタワーのてっぺんで

メリル(Eno.52)が冒険している様を観客席から眺めているるクマヘッドとゼウ子があーだこーだ文句言ったり記録したり落書きしたりおっぱいおっぱい騒ぐ場所。

2024/04/25 (Thu)

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2011/08/12 (Fri)

[Damsel in distress]

「……よう」


「…………」

「せめてコッチ見て! 返事無いのは諦めてたから、もうそれでいいから! シカトは止めて!? 超久しぶりなんだよゼウ子!?」


「……忘れもの?」


「ん?」


「……理由、無しに……来るとは思えないから」


「ハハハ、顔見に来たって可能性も考慮しようぜ!」


「……有り得ない」


「ち、チクショウ! 本来ならここスムーズに否定するつもりが、こんだけブログ放置してると有り得ないって俺も思っちゃうよ! 設計ミスだよ! 誰だよブログと本編連動させるとか思いついたヤツ、俺だ!!」


「…………」


「……ツッコミ不在ってキッツイわぁ、ちょっとミル子でいいから突っ込んでよ、もうお前喋れるだろ僕は知ってます!!」


「…………」


「…………」


「トヂクショウ!!」


「……まあ、うん。もう反応はイイよ、諦めたよ……。 だからまあ、そのままでいいから聞いてくれ」


「……物語が一つ、終わりを告げた」


「……今更真面目になっても」


「今ツッコミ入れるかな!? 流れ読んでくれないかな!?」


「…………」


「くっそ途端に恥ずかしくなってくるだろもー! んもぉおー! いいもん負けない、クマヘちゃん頑張る!!」


「……物語が一つ、終わりを告げた」


「……(言い直すんだ)」


「メリーは強力無比な力を自覚し、ソレに相応しい存在へと昇華する」


「これが、今回のサブストーリー。 俺が自分の存在を明け渡し、メリーによって世界の歪みを作り直す。その為だけの下準備」


「そして、俺は……一つ下の存在へ堕神した。 もう神じゃない、もう、物語に必要な存在ではなく……そこに在るが気に止める必要も無い、唯の熊頭だ」


「…………」


「……だから、こういう事ができる」


「……何の真似?」


「俺から差しのばされる手は、そんなに不思議か?」


「…………」


「……一人目の英雄は、神殺し。二人目の英雄は、神穿ち。 だが、三人目の英雄は既に、英雄と成る事を捨て……この空位は、今後永い永い間埋まらぬだろう」


「メリルの代わりなんて、一朝一夕で用意できるポジションじゃない。 なあゼウス。お前を救う存在なんて……また、幾千の時を越えなければ現れない」


「……分かっている」


「じゃあ、見ているだけじゃなくてこの手を取りな」


「…………」


「バベルの中腹、神も魔も手を伸ばせぬ最後の聖域。辿り着けるのは唯人のみ。 俺は、ここに辿り着くために、メリーをあそこまで昇華した、その為に神で在る事を捨て去った」


「何の考えも無しに、メリーを強くしたと思ったかな? 千夜一夜は確かに予想外の不確定要素だったが、あの流れになった瞬間小躍りしたよ。 ……ここに辿り着くのが、随分楽になった、とね」


「…………」


「ここには、もう誰も来れない! 少なくとも、数年は誰も訪れない! だから、俺が連れ出してやろう! この箱庭の牢獄を、それを作った俺様が、自分自身で壊してやろう! 全てはその為の準備、その為だけの物語!」


「…………」


「……また?」


「ああ、まただ。また俺は、自分で自分の物語を壊している。 だがこの世界ならそれもアリだ。 島という可能性の坩堝から派生した此処ならば、物語の不文律など何度だって無視できる」


「…………」


「行こうぜ、ゼウス! お前なら何にだって成れる、何だってできる! お前の為の物語を作ってやろう、お前に役目を与えてやろう! 何だったら栗鼠ゲーに参戦してもいい、その時は俺がサブについてやろう! それとも、看板娘でも目指してみるか! いいぜ、みう子やめゆーにだって負けない、とっておきの娘に育ててやる!」


「…………」


「"可能性"は無限大だ。未来は、何処までも拡がっている。 これ以上の停滞は最早不要っ! 後は唯、ひたすら明日へと歩むのみ!」


「さあ行こう、お姫様。王子様を用意できなかった変わりに……最高の宝物をくれてやる!」


「…………」


「……メリルを、救えなかったんだ。お前だけでも救わせろ」


「…………」


「……世界が、見たい……この目で、もっと近くから」


「おう」


「歩いてみたい。この両足で……ずっと見ていた、憧れの場所を」


「おう」


「……私も、物語を歩んでみたい」


「任せろ!」


「…………」



 ゼウスは化学繊維を見上げると……手を拒むよう、空へと伸ばす。

 それは、決められた運命を拒絶するように。
 提示された答えを、自分自身で選ぶかの如き自己主張。

 その表情に力を込め、精一杯の笑みを口に浮かべ、凛と透き通る声を放つ。





この手を取りなさい、お父様help me my slave



了解した、我が娘Yes. my princess





 手と手を取り合った瞬間、バベルから人影が消え失せる。


 主が消えても、巨塔はそのまま。
 世界と世界の狭間、何処までも何処までも聳え立つ。
 神々の黄昏のその日まで、バベルは朽ちる事は無く……。


 ただ、この日。
 一つの永遠が、この世界から溶け消えた。


next
「旅人は砂糖菓子を抱いて」

PR

この記事にコメントする

Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする:
35 |  34 |  33 |  32 |  31 |  30 | 

プロフィール

HN:
クマヘッドとゼウ子
HP:
性別:
男性
自己紹介:
・クマヘッド
PLじゃなくてクマヘッドってキャラがブログ書いてると思ってくれよ、なあ諸君。

・ゼウ子
クマヘワールドの切り札幼女。
無口で大人しくて無知でクール、色んな意味でツッコミを入れざるを得ない。

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

フリーエリア

最新コメント

[11/16 クマヘッド]
[11/16 飛行船]

最新トラックバック

ブログ内検索

カウンター

アクセス解析

Script:Ninja Blog Skin:Twinkle Magic 忍者ブログ [PR]